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麻の布にちくちくと描かれた、ひし形を基調とする幾何学模様。素朴で素敵なこの刺しゅうは、農民の苦労と知恵から生まれた民藝です。
「こぎん刺し」は青森県津軽地方に伝わる刺し子技法。生まれは古く、江戸時代後期の18世紀中ごろです。寒冷な津軽地方では木綿が栽培できず、綿製品は高価な貴重品。農民は木綿の着用を禁じられ、許されていたのは藍染めの麻布の服でした。厳しい冬、通気性の高い麻は寒すぎます。そこで麻布に木綿の糸で緻密な刺しゅうを施して保温性を高めたり、布の補強をしたそう。
今回紹介するのは、伝統的なこぎん刺しをモダンにアップデートしたもの。弘前市内のセレクトショップとこぎん刺しの保存活動を行う「弘前こぎん研究所」が協力して生まれました。使いやすくかわいらしい日用品。その背景を知れば知るほど、柄のひとつひとつがもっと愛おしくなります。
(上写真)(トップ写真)熟練の刺し手さんでも製作に丸2日はかかるという「こぎん刺しのポーチ 総刺し」7,370 円(税込)(左写真)(上写真)帯状に入ったカラフルな刺しゅうがかわいい「こぎん刺しのがま口」各3,630 円(税込)/green
Tel:0172-32-8199
La Finestra Vol.25より転載